小麦断ちは日本人には非常におすすめです。
そもそも日本人は小麦を食べる文化はなく、ここ80年くらいから始まった食文化です。
人間の体の基本的な構造は、数万年にわたって大きく変化していません。
もちろん遺伝的な変化や進化は継続していますが、これは数世代に渡って起こるもので、何十年では対応できないのです。
なので、日本人には小麦はあまり向かないと言えます。
小麦断ちで本来の体調を取り戻すためにも、今回詳しく説明していきたいと思います。

tokinoya
この記事の監修者
2005年から臨床検査技師として、健診センター、中核病院などに勤務、臨床検査科長や経営推進課の責任者を務めた。 自身がアトピーに子供のころから悩まされていたことから、グルテンフリーや無農薬、添加物に対して論文を読み漁る。現在は酵素風呂などの健康事業を手掛ける経営者。
tokinoyaのプロフィール
小麦断ちの驚くべき効果

小麦断ちは身体にとって良い影響があると、近年注目されています。
さまざまなメリットがあると聞くので、一度は試してみたい方も多いですよね。
しかし、どんな効果があるのかいまいち分からない方もいるのではないでしょうか?
そんな方に、小麦断ちの驚くべき効果をご紹介します。
- 小麦断ちで痩せられる?
- 小麦断ちでアトピーが改善?
- 小麦断ちで便秘改善
小麦断ちで痩せられる?
小麦には体重を増加させるさまざまな要因があり、小麦断ちをすれば瘦せる効果が期待できます。
まず、小麦は炭水化物を多く含む食品なので、そもそも太りやすい食べ物です。
小麦粉100gあたり、炭水化物75,8g、349kcalほどあります。
成人女性が1日に必要なカロリーは、おおよそ2,200kcalです。
成人男性が1日に必要なカロリーは、活動量に応じて2,400~3,000kcalです。
小麦を含む食事を食べ過ぎてしまうと、カロリーの摂り過ぎとなり、体重増加の原因となります。
また、小麦は食後に血糖値を上昇させやすいGI値の高い食品でもあります。
小麦に含まれている「アミロペクチンA」という成分が、血糖値を急上昇させるためです。
血糖値が急激に上昇するとインスリンが大量に分泌されて、身体が脂肪をため込む働きをするので、太りやすくなるのです。

さらに、小麦に含まれるグルテンというたんぱく質が、太りやすい身体を作る原因になることが近年注目されています。
グルテンとは「グリアジン」と「グルテニン」という2種類の成分が水を吸収して網目状に繋がったものです。
粘着性や弾力性に優れ、パンやパスタなどふんわりもちもちとした食感を作ります。
このグルテンの中に含まれるグリアジンという成分は、食欲を増進させます。
パンやパスタを食べても、まだまだ食べたいと思って食べ過ぎてしまうのには、グリアジンが関係しているのです。
このように小麦には、太りやすい身体を作るさまざまな要因があります。
参考:文部科学省食品データベース
参考:農林水産省 実践食育ナビ
小麦断ちでアトピーが改善?
小麦に含まれるグルテンとアトピー性皮膚炎の関連性に関する論文は、現段階で見つかっていません。
しかし、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーには密接な関係にあることが知られています。
実際に、グルテンを摂ることで、アトピー性皮膚炎が悪化する方がいます。
反対に、医師の食事指導の下、グルテンを除いた食生活をおくってアトピー性皮膚炎の症状が和らいだ方もいます。
個々の感受性によりますが、小麦を断ち、バランスの良い食事を心がけることで、アトピー性皮膚炎の解消が期待できるのです。
小麦断ちで便秘改善
小麦に含まれるグルテンは、身体の中で消化されにくく、便秘になる可能性があります。
消化されずに残ったグルテンは、消化器官や腸の粘膜に付着します。
すると、粘膜が傷ついて炎症を引き起こし、消化器官や腸の働きを弱めて便秘に繋がってしまうのです。
そもそも小麦を食べる文化がなかった日本人は、小麦を消化するのが得意な体質ではなく、便秘になりやすいと言われています。

グルテンの消化がスムーズな体質の方でも、消化しにくく粘着力の高い性質を持つグルテンを摂り過ぎれば、消化器官や腸の負担になるでしょう。
小麦を断つことで、消化器官や腸の働きを弱める原因となっているグルテンが身体の中から徐々に取り除かれます。
小麦断ちは1週間でも効果はある?
小麦断ちの効果を感じたいのであれば、グルテンフリー生活を2週間継続することをおすすめします。
ですが、小麦はカロリーが高い食べ物なので摂る量を減らすことで、1週間の小麦断ちでも体重の変化を感じる方もいます。
しかし、小麦断ちの効果は体重を減らすことだけではありません。
すこやかな肌を手に入れる、弱まっている消化器官や腸の働きを正常にして便秘改善を目指せるなど、複数の効果が期待できます。
肌状態の改善や消化器官や腸の働きは、すぐに良くなるものではなく、徐々に改善していくものです。
そのため、少なくとも2週間、小麦断ちをしながら肌や身体の状態を気にかけてみてください。
小麦断ちの注意点!好転反応を知っておこう

小麦断ちをすると、グルテンが原因で不調になっていた身体が正常な働きを取り戻します。
その一方で、小麦断ちをしたことで一時的な身体の不調を感じたことのある方もいるはずです。
そこで、小麦断ちをするときの注意点と好転反応についてご紹介します。
- バランスの良い食事をする
- 徐々に小麦を含む食べ物の量を減らす
- 好転反応を知っておく
バランスの良い食事をする
まず1つ目は、小麦断ちをしたらバランスの良い食事を心がけるようにしてください。
小麦には多くの炭水化物が多く含まれており、脳や身体を動かすエネルギー源となっています。
主食のパンを断つのであれば、白米や玄米などで代わりに炭水化物を補うようにしてください。
また、主菜と副菜もバランスよく食べるようにしましょう。
徐々に小麦を含む食べ物の量を減らす
小麦に含まれるグルテンは、依存性の高い特徴を持つことでも知られています。
急に小麦を断ったことで、小麦を含む食品を食べたい衝動にかられてしまうかもしれません。
衝動的に炭水化物を摂りすぎてしまうと、体重増加や血糖値の急上昇により、身体の不調を引き起こす可能性があります。
一気に小麦断ちをするのが難しい場合は、徐々に小麦を含む食べ物の量を減らしましょう。
好転反応を知っておく
グルテンを多く含む食事中心の生活をしていると、身体のさまざまな箇所で炎症が起こり、不調を引き起こしている可能性があります。
この不調を改善しようと小麦断ちをする過程で、好転反応が起こることがあります。
体質にもよりますが、身体の不調が多いほど好転反応が出る場合があるでしょう。
小麦断ちをすることで考えられる、4つの好転反応についてお伝えします。
まず1つ目は、弛緩(しかん)反応です。
小麦断ちをしたことで、消化器官や腸に付着していたグルテンが取り除かれ、本来の働きを取り戻します。
今まで体内に滞っていた老廃物が流れ、血流循環の改善まで期待できるでしょう。
しかし、一気に滞りが改善されると身体がそれについていけず、だるさ、疲れ、頭痛、眠気、発熱などの症状となって現れる場合があります。
2つ目は、過敏反応です。
これは、グルテンが身体の中から無くなって血液循環が良くなったことで、鈍っていたかゆみを感じる神経が正常に働くようになるため起こる反応です。
また、血液が急激に改善されることで、神経が刺激されてかゆみや傷みを感じることもあります。
3つ目は、排泄反応です。
消化器官や腸の粘膜にベッタリと貼り付いていたグルテンが減ったことで、不調になっていた腸の働きが良くなります。
すると、消化器官や腸に蓄積していた老廃物を身体の外へ一気に出そうとし、下痢の症状となって現れる場合があります。
最後の4つ目は、回復反応です。
小麦断ちを継続することで、消化器官や腸の働きが正常に戻ってリンパや血液の流れが活発になります。
蓄積していた老廃物がリンパ管や血管に乗って身体中を流れる過程で、だるさ、吐き気、発熱の症状がでることもあるのです。
好転反応は、誰にでも起こることではありません。
しかしながら、体調や体質によっては誰でも起こり得る可能性があります。
好転反応を知らずに小麦断ちをしてしまうと、身体が改善に向かっているにも関わらず、悪い反応だと勘違いをしてしまいます。

せっかく小麦断ちの効果が出始めているにも関わらず、小麦を食べた方が良いのかもしれないと思ってしまってはもったいないです。
好転反応がでている間は不快に思うかもしれませんが、一般的には1日~3日すれば症状が落ち着きます。
ゆるグルテンフリー生活のすすめ

グルテンフリー生活とは、グルテンを含む食べ物を口にしない生活のことです。
グルテンは醬油など身近な調味料にも含まれており、完全に排除するのは簡単ではありません。
また、日本ではグルテンフリー食材が買える店やレストランのメニューがある店は限られています。
絶対にグルテンを含む食べ物を口にしてはいけないとなると、生活ができません。
そこでおすすめしたいのが、ゆるグルテンフリー生活です。
パンをご飯に置き換える、米粉やおからを使ったお菓子をおやつにするなどが、ゆるグルテンフリー生活の代表例となります。
また、食べ過ぎてしまった翌日は、グルテンフリーの食事を摂る日とするのも良いでしょう。
小麦断ちは、継続することで徐々にさまざまな身体の良い変化を感じることができます。
ゆるグルテンフリーでも効果ある?
ゆるグルテンフリー生活で気になるのが、本当に効果があるのかではないでしょうか?
実際、数日だけではあまり効果を実感できないかもしれません。
しかし、続けやすいのがゆるグルテンフリー生活の魅力です。
消化器官や腸の粘膜に貼りついたグルテンが徐々に取り除かれていくと、消化器官や腸の働きが整うことが期待できます。