グルテンフリーをすると体臭がきつくなるといわれることがあります。
結論から言って、グルテンフリーが原因で体臭が気になる可能性はあります。
- グルテンフリーで体臭が気になるようになる理由
- グルテンフリーの体験談
- 体臭の種類と原因
- 体臭を改善する対策
- 体臭を改善する食べ物
上記を紹介しますので参考にして下さい。

tokinoya
この記事の監修者
2005年から臨床検査技師として、健診センター、中核病院などに勤務、臨床検査科長や経営推進課の責任者を務めた。 自身がアトピーに子供のころから悩まされていたことから、グルテンフリーや無農薬、添加物に対して論文を読み漁る。現在は酵素風呂などの健康事業を手掛ける経営者。
tokinoyaのプロフィール
グルテンフリーは体臭が気になることもある

グルテンフリーを実践すると体臭が気になることがあります。
この理由は、ケトン体代謝が起こるからです。
グルテンフリーの食生活をすると、体内でブドウ糖が不足することがあります。
すると体は脂肪を燃焼させてエネルギーを得ようとし、この時肝臓でケトン体という物が作られます。
ケトン体は水溶性なので、血中に溶け出し汗とともに出てきます。
これが体臭の原因となるのです。
肺からケトン体が出ると口臭の原因となる場合も。
グルテンフリーをすると体臭が気になるというのは、あくまで一時的なものです。
体が落ち着いてくればグルテンフリーをはじめて3ヶ月から半年くらいで気にならなくなるでしょう。

ダイエット中の女性が、体臭がきつくなる場合も同じ理由が考えられます。
小麦なしの食生活でも、必要な糖質はグルテンフリーの食材から摂るようにしましょう。
グルテンをやめた人の体験談
グルテンを含む食品を食べるのをやめた人の体験談を紹介します。
中にはグルテンフリーをして体臭が気になってやめたという人も。
ですが、体調が良くなったと感じる人も多いようです。

グルテンフリーをしてから、お腹が張るのが良くなった感じ。腸内環境が整ったのか、便秘が改善してきた気がします。

グルテンをやめて1週間くらいで、体臭が気になるような気がして……。
パンも食べたくなったので、グルテンフリーをやめてしまいました。

グルテンフリーは大変かと思ったけど、和食中心の食生活にするだけだったので、気軽に取り入れられました。
別にアレルギーがあるわけではないので、パンやパスタを食べないくらいのゆるいグルテンフリーを実践しています。

グルテンを含む食品をやめたからか、昼間の眠気とかだるさがなくなった感じ。
体重も減ってきたのはグルテンフリーのおかげかも。

グルテンフリーを気にして、食べたいものが食べられないのが苦痛でした。
外食が多いので、すぐにやめてしまいました。
グルテンフリーとは
グルテンフリーとは、セリアック病の患者向けに考案された食事療法です。
セリアック病の人は小麦に含まれるグルテンを摂取することで小腸に炎症を起こしてしまいます。
日本人にはセリアック病の患者は少ないので、日本人にはグルテンフリーは意味ないといわれることもあります。
ですが、日本人でもグルテン不耐性や小麦アレルギーの人もいるので、まったく意味がないとは言い切れません。
病院で診断を受けていなくても、グルテンによって体調を崩す人は日本でも7~8割ともいわれています。
グルテンフリーをすることで、腸内環境が良くなって体の不調が改善したという人も少なくありません。

パンばかり食べていると、小麦を摂りすぎている可能性もあります。
>>小麦粉の食べ過ぎはどれくらい?の記事を参考に、小麦製品を食べる量を見直してみましょう。
「長生きしたけりゃパンは食べるな」という本も話題になり、グルテンフリーを意識する人も増えています。
グルテンフリーには好転反応や体臭など、始めてすぐに不調を感じる人もいます。
ですが、体調が落ち着いてくると、グルテンフリーの効果を感じられたというケースがほとんどです。
グルテンフリーの効果については>>グルテンフリーの効果の記事も参考にして下さい。
体臭の種類と原因

体臭の種類とその原因を解説していきます。
- 汗臭
- 加齢臭・ミドル臭
- 疲労臭
- 腸内細菌の作るガス臭
グルテンフリーをしているときに、体臭が気になったとしてもグルテンフリーが原因でない場合も多いです。
それぞれ詳しく見てみましょう。
汗臭
体臭の原因の一つが汗臭です。
汗はエクリン汗腺とアポクリン汗腺の二つから分泌されます。
- エクリン汗腺
-
体温調節のために汗を出す器官
エクリン汗腺から出る汗は約99%が水でその他は塩分やアミノ酸 - アポクリン汗腺
-
脇などにあり脂質やタンパク質を含んだ汗でべたつきがある
どちらの汗も無臭ですが、汗が皮膚上の皮脂・垢と混ざり皮膚常在菌が分解することで不快なにおいが発生します。
ミドル脂臭・加齢臭
ミドル脂臭・加齢臭も体臭の原因の一つです。
ミドル脂臭は後頭部や頭頂部・首を中心に発生します。
30代から40代頃から発生しやすい体臭で、古い油のような強い臭い。
ミドル脂臭の原因は汗に含まれるジアセチルという成分で、頭皮細菌が汗に含まれる乳酸と結びつき分解することで作られます。
そして、30代半ばを過ぎたころから、加齢臭の原因となるノネナールという物質が増え始めます。
加齢臭は枯れ葉や古い本など、長い年月をかけて劣化したもののニオイに近いといわれています。
加齢臭は耳の裏・胸・背中などの体幹部を中心に発生。
自分では加齢臭に気づかない人が多いです。
加齢ととも過剰に分泌された皮脂が酸化することで、加齢臭の原因であるノネナールが生成されます。
疲労臭
疲労臭も体臭の原因です。
疲労臭とは、疲れやストレスが溜まると、血液から皮膚に染み出すように発散されます。
ツンとした嫌な臭いといわれ、この原因は体内からでるアンモニアです。
アンモニアは通常肝臓で分解され、尿とともに排出されます。
ですが、疲労やストレスによって肝臓が上手く機能しないと、分解されなかったアンモニアが血液から汗の中に排出。
ツンとしたアンモニア臭のガスとなって皮膚から放出され、においの原因となります。
腸内細菌の作るガス臭
腸内細菌が作るくさいガスが体臭の原因となることもあります。
有害なにおい物質が、悪玉菌が多い腸内環境では作られるからです。
腸内で発生した物質は、腸で吸収されて全身をめぐり、呼気や汗・皮膚ガスとなって発散されます。

便臭やおならが臭くなるだけではないんですね……。
体臭を改善する対策

体臭を改善する対策を紹介します。
それぞれの体臭の原因ごとの対策を確認しておきましょう。
汗臭
- こまめに汗を拭き取る
- 通気性の良い衣服を着る
- 消臭効果のある下着を利用する
- 体を洗いすぎない
こまめに汗を拭いたり、速乾性のある衣類を着ることで汗臭の対策ができます。
なぜなら、汗は本来無臭だからです。
皮膚細菌と汗が混ざり、皮脂や垢を分解することで酸っぱいような嫌な臭いが発生します。
皮膚を清潔に保つことは、汗臭には効果的です。
ですが、洗いすぎには要注意。
肌の常在菌には、皮膚のバリア機能や潤いを保持する善玉菌も住んでいます。
ミドル脂臭
- 高糖質・高脂質の食事を控える
- アルコール・タバコを控える
- 適度な運動をする
- 頭皮の紫外線対策(帽子、日焼け止めスプレーなど)
- 頭皮の血行をよくする
ミドル脂臭の対策としては、バランスの良い食事や紫外線対策がおすすめ。
脂っこい食事や糖質の摂りすぎは、血行や代謝の低下を招きます。
その結果皮脂の過剰分泌を起こり、ブドウ球菌などの繁殖を助長する可能性があります。
アルコールやたばこも血行不良を招くので控えた方が良いでしょう。
普段から適度に運動すると、汗がさらさらしたものに保ちます。
加齢臭
- 食生活を改善する
- 寝具・衣服などを清潔に保つ
- 適度に運動する
- 湯船につかる
- 首や耳の後ろなどをこまめに拭き取る
加齢臭の対策としては、食生活を改善することが大切です。
脂質の摂りすぎは、皮脂の過剰分泌と酸化の原因となるからです。
抗酸化作用のある食べ物も積極的に食べるようにしましょう。
お風呂でゆっくり湯船につかって汗をかくことで、老廃物や皮脂の排出がスムーズになり代謝アップも期待できます。
食生活を改善し衣類を清潔に保つことが加齢臭対策に効果的です。
疲労臭
- ストレスを溜めないようにする
- 睡眠をしっかりとる
- 湯船に浸かる
- 腸内環境を改善する
ストレスをためないことが疲労臭の対策には大切です。
なぜなら、疲れやストレスが溜まると肝臓の機能が低下するからです。
ゆっくりと湯船につかってリラックスするのがおすすめ。
睡眠の質も上がり、疲れを軽減させてくれます。
腸内環境が改善することで、疲労臭が減少することもわかっています。
牛乳由来のオリゴ糖のラクチュロースの摂取が効果的です。
ラクチュロースの摂取で腸内のビフィズス菌が増え、アンモニア臭の減少が期待できます。
腸内細菌の作るガス臭
腸内でくさいガスが発生しない対策として、善玉菌を増やす食事をとるのがおすすめです。
腸内環境が整うと悪玉菌が減り、くさいガスの発生が抑えられるからです。
ビフィズス菌や乳酸菌などを増やす食事を摂りましょう。
具体的には、プロバイオティクスとプレバイオティクスの摂取が大切。
- プロバイオティクス(善玉菌を含む食品)
-
漬物、キムチ、乳酸菌飲料、ヨーグルトなどの乳製品、味噌、甘酒、納豆など
- プレバイオティクス(善玉菌のえさとなる食品)
-
雑穀、大豆、アーモンド、ゴボウ、キャベツ、玉ねぎ、バナナ、はちみつなど
バランスよく腸内環境を整える食生活を心がけましょう。

グルテンフリーの食生活にも取り入れられそうですね♪
グルテンフリーの食材については>>グルテンフリーの食材の記事を参考にしてくださいね。
体臭を改善する食べ物

体臭の改善には普段の食生活が重要です。
体臭を改善する食べ物を紹介します。
- 抗酸化食品
- アルカリ性食品
- 腸内環境を整える食品
抗酸化食品
抗酸化食品を摂ることで、体臭の改善が期待できます。
過酸化脂質の増加を防いでくれるからです。
抗酸化物質の中でも、ビタミンEは抗酸化力が高いです。
ビタミンCと一緒に摂ると効果が持続するといわれています。
他にも、
- 緑黄色野菜のカロテノイド
- ブルーベリーなどに含まれるアントシアニン
- ポリフェノールなどのファイトケミカル
に抗酸化作用があります。
植物が紫外線や虫などから身体を守るために作り出した
- 色素
- 香り
- 辛味
- ネバネバ
などの成分のこと
ビタミンCとビタミンEを多く含む食品の例を参考にして下さいね。
栄養素 | 含む食品の例 |
---|---|
ビタミンC | 緑黄色野菜(パプリカ・ブロッコリー・ゴーヤ・じゃがいも)、果物(キウイ・柑橘類・イチゴ・柿)など |
ビタミンE | アーモンド・ナッツ類・アボカド・ゴマなど |
アルカリ性食品
アルカリ性の食品を摂ることも、体臭の改善に役立ちます。
体内が酸性に傾くと体臭の原因物質が作られやすくなるからです。
酸性を中和するアルカリ性食品を摂ると、加齢臭やミドル脂臭などの予防ができます。
- 梅干し
- わかめなど海藻類
- ホウレンソウなどの緑黄色野菜
- 大豆製品
- キノコ類
腸内環境を整える食品
腸内環境を整える食品を積極的に摂りましょう。
- 納豆
- キムチ
- キウイフルーツ
- きのこ類
- ヨーグルト
- リンゴ
- 玄米
- 豆乳
- オリーブオイル
善玉菌のえさとなる乳酸菌を含む食品や、食物繊維を豊富に含む食品は毎日の料理に取り入れましょう。
オリーブオイルに含まれるオレイン酸は腸内の潤滑油として働き、スムーズな排出を手伝ってくれます。
腸内細菌のバランスは1~2週間で入れ替わるといわれています。
グルテンフリーで体臭が気になるについてQ&A
グルテンフリーで体臭が気になることについてQ&Aで紹介します。
女性がフルーツの香りなどいい香りのする理由は?
女性がフルーツの香りのようないい香りがするのは、スイート(SWEET)臭とも呼ばれるラクトン(ラクトンC10・ラクトンC11)という香り成分によるものです。
10代・20代の女性に多いとされていますが、腸内にビフィズス菌が多い人はラクトンが多いということがわかっています。
腸内環境が良好なほど、ラクトンの放散量が多くなると考えられそうです。
体臭がきつい女性の特徴は?
体臭がきつい女性・男性共に、
- 食生活が乱れている
- 腸内環境が悪い
- 厳しい糖質制限を行っている
などの共通点があります。
歳をとるとあらゆる体の働きが弱まるので、体臭が発生しやすくなります。
腸内環境を整えることで、体臭の発生を軽減させることができるでしょう。
体臭がきつい人の原因は病気?
体臭がきつい人で原因が病気の場合もるので注意が必要です。
以下の疾患は医師の診断が必要ですが、体臭の原因となる可能性のある病気です。
- ワキガ
- 脂漏性皮膚炎
- 糖尿病
- 肝臓機能の低下
- 魚臭症候群
- 甲状腺機能亢進症
病気でなく、生理的な体臭はあまり神経質になりすぎないほうが良いです。
生活習慣を見直すことで、体臭が改善する場合もあります。
心配な場合はかかりつけの医師に相談をしてみてくださいね。
まとめ
グルテンフリーをすることで、糖質が不足しケトン体によって体臭が気になることがあります。
これは一時的なものですが、栄養バランスを考えた食生活を意識するようにしましょう。
グルテンフリー以外に体臭の原因がある場合もあります。
清潔を保ち適度に運動し、バランスの良い食事で体臭が軽減するかもしれません。
厳しい糖質制限ではなく、ゆるくグルテンフリーをしたりお米などをしっかりとって無理のない食事をとるのもおすすめです。