小麦粉は1日の摂取目安はパンなら6枚切り2枚、麺なら1玉程度となっており、それ以上食べると食べ過ぎになります。
小麦の食べ過ぎは消化不良やエネルギーの過剰摂取になるため、体に悪いと言われています。
胃腸に負担がかかる事、体重増加につながることから小麦の食べ過ぎには気を付けましょう。
しかし、食べ過ぎにならない適切な量を食べていれば、体に悪影響なく美味しく小麦を食べ続ける事ができます。
今回は食べ過ぎになる小麦粉の量や食べ過ぎによる体への影響について解説します。

tokinoya
この記事の監修者
2005年から臨床検査技師として、健診センター、中核病院などに勤務、臨床検査科長や経営推進課の責任者を務めた。 自身がアトピーに子供のころから悩まされていたことから、グルテンフリーや無農薬、添加物に対して論文を読み漁る。現在は酵素風呂などの健康事業を手掛ける経営者。
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小麦粉の食べ過ぎはどれくらいか一日の摂取量の目安

小麦粉を食べすぎているかを判断する一つの目安として、一日の摂取カロリーを基準に考えるとわかりやすいです。
摂取カロリーの目安を超えて食べると、小麦の摂取量としても食べ過ぎになるからです。
具体的な摂取量について
- パンの場合
- 麺類の場合
の2種類を例に見ていきましょう。
パンの場合
パンの場合は、食パン6枚切2枚が1食の目安です。
食品成分表によると、食パン6枚切り2枚のカロリーは298kcalとなっており、1食分の主食からの摂取カロリーとしては適切な量です。
パンのカロリーは以下の表を参考にしてください。
種類 | カロリー |
---|---|
食パン(1枚 約60g) | 約150 kcal |
フランスパン(1切れ 約50g) | 約130 kcal |
ロールパン(1個 約40g) | 約110 kcal |
クロワッサン(1個 約60g) | 約270 kcal |
ベーグル(1個 約100g) | 約250 kcal |
マフィン(1個 約100g) | 約400 kcal |
全粒粉パン(1枚 約60g) | 約130 kcal |
菓子パンを食べる場合も、カロリーをチェックして300kcal前後に抑えると食べ過ぎにはなりません。
注意点としては、1食の目安を守れているからといって、3食全てパンを食べると食べ過ぎになってしまいます。
1日の摂取目安に沿った量を食べた時、パンは米よりも摂取カロリーが高いからです。
3食パンばかり食べていると米を食べた時よりも摂取カロリーが多くなります。
パンを食べるのは1日のうち1食のみに抑え、他の2食分は米を食べるようにしましょう。
参考:食品成分データベース
麺類の場合
麺類の場合は、乾麺の状態で1食100gが目安量です。
パスタを例にカロリーを見ると、100gあたり347kcalで、パンや米よりも高カロリーなものの、主食からの摂取カロリーとしては適切です。
パスタであれば、市販の多くの乾麺で100gを1食分としているため、パッケージの表示に従って調理していけば問題ありません。
小麦粉の食べ過ぎが体に悪いと言われる理由
小麦粉の食べ過ぎが体に悪いといわれる理由は以下があげられます。
- グルテンを含むパンなどは消化が悪い
- 血糖値を急上昇させる
- 腸内環境が悪くなる
- 小麦の中毒性
以上が挙げられます。
小麦粉を食べ過ぎることによって、体への悪影響が顕著に出てくる事があります。

小麦粉が体に悪い食べ物というわけではありません。
グルテンが体に合わなかったり、食べ過ぎというわけでなければ小麦粉製品を食べても問題ありません。
以上の体への影響について詳しく説明します。
グルテンを含むパンなどは消化が悪い
グルテンは人の腸内で分解されにくいという特徴を持っています。
グルテンの体内での消化能力には個人差があり、グルテン不耐症の人は特にグルテンを消化しにくいです。
小麦を食べると腹痛を起こしたり便秘がちになる、という方はグルテン不耐症の可能性があり、グルテンフリーの食生活を行う事で改善されることもあります。
自分がグルテンを消化しやすい体質かどうか、一度調べてみるのもおすすめです。
参考:健栄製薬
血糖値を急上昇させる
小麦を含む食品は、血糖値を急上昇させやすい事が分かっています。
血糖値の上昇度合いを示す指標として「GI」があります。
GIは高いほど血糖値が上昇しやすく、GI値が70以上の食品は高GI食品とされています。
例えば、小麦が主な原料の白パンはGI値が74で、高GI食品に分類されます。
おやつのカテゴリーでは小麦から作られるドーナツがGI値76と、こちらも高GI食品となっています。
血糖値が上昇すると体内に脂肪を溜め込みやすい状態になり、肥満の原因になるほか、慢性的に血糖値が上昇していると糖尿病になってしまいます。

小麦製品を食べ過ぎると成人病など病気のリスクは上がりそうですね。
腸内環境が悪くなる
グルテンを摂り過ぎていると、腸内の環境が悪化する事があります。
体内で消化されにくいグルテンは、腸の粘膜に貼り付きやすくなるからです。
腸の粘膜にグルテンが張り付くと、腸が炎症を起こし腸内環境が悪化しやすくなります。
腸内環境が悪化して起こる影響は便秘や下痢などのお腹の不調だけではなく、肌が荒れやすくなる、太りやすくなるなどの影響もあります。
参考:小城製粉株式会社
小麦の中毒性
小麦には中毒性があることも、体に悪いといわれる理由です。
小麦のグルテンの成分であるグリアジンは、食べ過ぎると依存性があるといわれているからです。
パンやパスタなどは、もっと食べたい・また食べたいという欲求を引き起こします。
そのため食べ過ぎになってカロリー過剰摂取になり、メタボリックシンドロームや肥満症を発症する可能性があります。
参考:健康長寿ネット
グルテンフリーの効果は?

グルテンフリーの食生活を行うことによって、様々な効果を得る事ができます。
例えば
- 腸内環境の改善
- ダイエット効果
- 肌荒れの改善
などです。
グルテンフリーを行うことでグルテンが腸内にへばりつきにくくなり、腸の炎症を抑制して腸内環境の改善につながります。
腸内環境が改善すると腸内に「善玉菌」という体に良い菌が増え、太りにくい体づくりや肌荒れの改善にも繋がります。
また、小麦を控えることで摂取カロリーが抑えられ、ダイエット効果が得られることもあります。
グルテンフリーの効果については>>グルテンフリーの効果の記事で詳しく紹介しています。
グルテンフリーは日本人には意味ないわけではない
元々小麦の摂取量が多い欧米人に比べると、グルテンフリーの効果を感じにくい人もいますが、日本人に意味がないというわけではありません。
グルテンが体質的に合わないグルテン不耐症の場合、グルテンフリーを行うことで体調の改善が期待できるからです。
グルテン不耐症の方はグルテンが体内で消化しづらく、下痢や腹痛などの症状を起こしてしまいます。
自分がグルテン不耐症かどうかは実際に検査をしてみないとわかりません。
パンやパスタを食べた後に体調が悪くなりやすい、という方は一度検査を受けてみるのも良いでしょう。

グルテンフリーを試してみて、体調が良くなるのならグルテンが体に合わない可能性があります。
検査を受けるまでもないという場合は、2週間程度グルテンフリーをしてみてもいいですね。
日本人にグルテンフリーが意味ないわけではないことについては>>グルテンフリーは日本人に意味ない?も参考にしてください。
グルテンフリーの効果はいつからか、2週間が目安
グルテンフリーの効果はいつから感じられるのかは個人差がありますが、2週間程度が目安といわれています。
目安としては、1~2週間程度で便秘などの改善がみられ、1ヶ月程度で太りやすさや肌荒れなど体質の改善が期待できるようです。
すぐに効果が出るようなものではないため、数週間やってみて何も変わらないからやめる、というのは少し早いかもしれません。
グルテンフリーを試すと、一部の人には好転反応が起こります。
好転反応は、
- 倦怠感
- 眠気
- めまい
- 頭痛
- 肌荒れ
などがあります。
好転反応があると、自分にはグルテンフリーは合わないのかとやめてしまう人もいます。
ですが、好転反応の時期が過ぎると肌や体調が良くなったと感じられるはずです。
グルテンフリーでは自分のペースで長く続ける事が大切です。
無理のないペースでグルテンフリーを続けてみると良いでしょう。>>グルテンを減らすだけ!も参考にして下さい。
グルテンフリーのメリットとデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
ダイエット効果が期待できる 肌荒れを改善できる 腸内環境が良くなる | パンや麺を食べられない事がストレスになる 無理なグルテンフリーで痩せ過ぎてしまう |
グルテンフリーにはメリットが多くありますが、人によってはデメリットを感じることもあります。
グルテンフリーはその人に合う・合わないに大きく左右されるからです。
グルテンフリーを行うことで得られるメリットとしては
- ダイエット効果が期待できる
- 肌荒れを改善できる
- 腸内環境が良くなる
ですが、逆にデメリットとしては
- パンや麺を食べられない事がストレスになる
- 無理なグルテンフリーで痩せ過ぎてしまう
などがあります。
特にこれまで小麦製品を好んで食べていた人にとっては、グルテンフリーを始めた事でストレスが溜まり、逆に肌荒れや体調の悪化に繋がることもあります。
自分に合った方法で無理なく続けることを心がけましょう。
>>グルテンフリーのデメリットとメリットも参考にしてください。
まとめ
小麦そのものが悪い食べ物というわけではありませんが、小麦を食べ過ぎることによって太ってしまったり、腸内環境が悪化するなどの悪影響もあります。
小麦は1日の摂取カロリーを目安にしながら、適切な量を食べることで食べ過ぎになるのを防ぐ事ができます。
グルテンを控えて「ゆるグルテンフリー」を続けたい、という方は、小麦の適量を把握して、食べ過ぎにならないように気をつけましょう。
小麦を完全に断つという方法も健康や美容に良いですが、食べ過ぎにならない量を食べて上手く付き合っていく事で、ストレスを溜めずに健康的な食生活を送る事ができます。
日々の食生活を楽しめる範囲でグルテンフリーを続けていきましょう。