米粉と小麦粉ではグルテンを米粉は含まないことが大きな違いです。
小麦アレルギーの人も安心して食べられる、小麦粉に置き換えやすい食品です。
米粉は小麦粉のように腸内環境を悪くする働きがないので、グルテンフリーでも取り入れられています。
とはいえ、糖質が多いので食べ過ぎには注意が必要。
ダイエットに効果を期待して米粉に置き換えても、食べ過ぎてはかえって太る可能性もあります。
米粉と小麦粉の違いを確認して、上手に食生活に取り入れましょう。

tokinoya
この記事の監修者
2005年から臨床検査技師として、健診センター、中核病院などに勤務、臨床検査科長や経営推進課の責任者を務めた。 自身がアトピーに子供のころから悩まされていたことから、グルテンフリーや無農薬、添加物に対して論文を読み漁る。現在は酵素風呂などの健康事業を手掛ける経営者。
tokinoyaのプロフィール
米粉と小麦粉の違いを比較

米粉と小麦粉の違いを比較してみましょう。
米粉 | 小麦粉 | |
---|---|---|
カロリー(100gあたり) | 356kcal | 349kcal |
糖質(100gあたり) | 81.3g | 73.3g |
脂質(100gあたり) | 0.7g | 1.5g |
グルテンの有無 | なし | あり |
栄養素 | たんぱく質・炭水化物・ビタミンB1・ビタミンEリン・亜鉛など | ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンE、パントテン酸・リン・カルシウムなど |
アミノ酸スコア | 65 | 38~44 |
特徴 | モチモチとした歯ごたえのある食感 | 水を加えてこねることで粘り気と弾力がでる |
参考:文部科学省|日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
それぞれの項目について詳しく見てみましょう。

米粉の方が栄養価が高いですね。
カロリー
100gあたり米粉のカロリーは約385kcal、小麦粉は約364kcalなので、米粉の方が少しカロリーが高いです。
なので、米粉の方がカロリーが低いわけではありません。
低GI食品として米粉は選ばれていますが、単純に小麦粉を米粉に置き換えてもダイエットできるわけではなさそうです。
糖質
100gあたりの糖質量が米粉81.3g、小麦粉は、薄力粉73.3g・中力粉72.3g・強力粉69.0gです。
糖質の含有量を比べると、米粉の方が多く糖質を含んでいます。
グルテンフリーとして米粉を選ぶのなら良いのですが、ダイエットしようとして米粉を選んでも効果は得られないかもしれません。
脂質
100gあたりでは、米粉は脂質0.7gに対し小麦粉は1.5g。
脂質の量は小麦粉は米粉の2倍含まれています。
加えて米粉は小麦粉よりも油の吸収率が低いです。
余分な脂を吸いにくく、カラッとしあがるのでダイエット中に揚げ物が食べたくなった時には米粉に置き換えるのもおすすめです。
グルテンの有無
米粉にはグルテンは含まれてません。
小麦にはグルテンが含まれていて、パンなどを作る際に膨らみやすいですが体に合わない人もいます。
米粉は小麦アレルギーの人でも安心して食べることができます。
栄養素
米粉と小麦粉は栄養素が違います。
アミノ酸スコアは米粉は65、小麦粉は38~44です。
米粉の方が多くの栄養素が含まれています。
必須アミノ酸とたんぱく質の含まれるバランスの指標。
数値が高い方が栄養価が高いといえる。
アミノ酸以外にも、ビタミンB1・ビタミンEなども豊富で、米粉は栄養価の高い食材です。
小麦粉を米粉に置き換える分量・使い方
小麦粉を米粉に置き換える分量としては、同量で置き換えられる料理もありますが調整する必要があるものもあります。
お菓子作りではスポンジケーキやパウンドケーキは、小麦粉を米粉に同量で置き換えても美味しく仕上がります。
ですが、仕上がりは小麦粉はしっとり弾力があり、米粉はふわふわ軽い食感です。
それぞれ違う味わいで美味しく仕上がるので、好みで使い分けられますよ。
揚げ物に米粉を置き換えると、吸油率が低いのでカラッとヘルシー。こちらも同量で大丈夫です。
とろみをつけたい場合、米粉は小麦粉よりもとろみがつきにくいので、少しずつ足して調整することで置き換えることができます。

後ほどパンの置き換えの分量は紹介します。
小麦粉を米粉に置き換えるメリット

小麦粉を米粉に置き換えるメリットを紹介します。
- 小麦アレルギーの人も安心して食べられる
- ダマになりにくい
- 片付けが楽

米粉は軽い食感に仕上がるので、好みで使い分けても良いでしょう。
小麦アレルギーの人も安心して食べられる
小麦アレルギーの人も安心して食べられるのは、米粉に置き換えるメリットです。
米粉にはグルテンが含まれていないからです。
小麦アレルギーやグルテン不耐性の場合でも安心して食べることができます。
グルテンは腸内環境を乱す性質があるので、様々な体の不調を引き起こします。
ダマになりにくい
ダマになりにくいことは米粉のメリットです。
米粉はさらさらとしているからです。
小麦粉を使ったお菓子作りでは、粉をふるうという工程が必要です。
米粉はダマになりにくいので粉をふるう手間を省くことができます。

粉をふるうのはちょっとした手間ですが、省けるのはうれしい♪
片付けが楽
片付けが楽ということも米粉に置き換えるメリット。
米粉は粒子が細かく水に溶けやすいからです。
料理やお菓子を作ったあと、水でサッと洗い流せるので片付けが楽なことはメリットといえるでしょう。
小麦粉はこねるとベタベタとボールにくっついて、洗い流すのが米粉ほど簡単ではありません。
片付けが簡単という点で、米粉に置き換えるメリットが感じられますよ。
小麦粉を米粉に置き換えるデメリット
小麦粉を米粉に置き換えるデメリットも確認しておきましょう。
- 血糖値に注意
- 値段が高い

血糖値が気になる人は注意が必要です。
血糖値に注意
血糖値が気になる人は注意が必要なことは、米粉に置き換えるデメリットでしょう。
米粉は糖質が高めだからです。
低GI食品なので血糖値の上昇は穏やかですが、たくさん食べてしまうと糖質の摂りすぎになります。
栄養価に優れた米粉ですが、食べるのには栄養バランスを考えて取り入れましょう。
値段が高い
値段が高いということも米粉に置き換えるデメリットです。
小麦粉に比べて米粉の価格は高めだからです。
米粉は製造プロセスが複雑で、小麦粉よりも需要が少ないので大量生産が難しいといわれています。
特に国産のものは高価なものも多いです。
スーパーなどでも手軽に購入できるとはいえ、どうしても値段が高い食材です。
米粉と小麦粉の味・仕上がりの違い

米粉と小麦粉の味や仕上がりの違いを紹介します。
- パン
- クッキー
- ケーキ
それぞれの違いを知っておきましょう。
パン
米粉で作ったパンはモチモチとした仕上がりです。
味の変化はさほどありませんが米粉の甘みがあり、ふわっとした小麦粉のパンよりは歯ごたえを感じられるのが特徴です。
小麦粉で作ったパンよりも水分量が多く、腹持ちが良いという特徴もあります。
モチモチと歯ごたえがあるので、咀嚼の回数が増えて満腹感を得られるでしょう。
クッキー
米粉でクッキーを作ると、生地のつながりが悪いのでまとまりにくいという特徴があります。
ボロボロとまとまらないので、クッキーに成形するのが難しいです。
焼き上がりはひびが入りやすく、焼き色が薄く仕上がります。
小麦粉もサクサクとした食感ですが、米粉のクッキーは崩れるような食感で粉っぽさが残ります。
米粉でクッキーを作る際は、粉の2割を小麦粉にすると作りやすく食べやすいですよ。

小麦粉と米粉を混ぜると美味しく出来上がりそうですね。
ケーキ
ケーキを米粉で作るときは全量を置き換えても大丈夫です。
クッキーと同様に焼き色は小麦粉の方が付きやすいです。
小麦粉で作ったケーキはしっとりとして弾力があり、米粉で作ったものはふわふわの仕上がりになります。
米粉で作ると軽く歯切れの良い食感のケーキが出来上がります。
米粉と小麦粉の違いについてQ&A

米粉と小麦粉の違いについてQ&Aで紹介します。
米粉と小麦粉のダイエット効果の違いは?
小麦粉よりも米粉の方がダイエットに効果があるといわれています。
その理由は小麦には依存性があり、食べ過ぎてカロリーを摂りすぎてしまうからです。
また、米粉で作ったパンは歯ごたえがあるので咀嚼回数が増え、満腹感を感じやすいので食べ過ぎを防止できることも理由です。
食べる量を控えることができるので、米粉の方が小麦粉よりもダイエット効果があるといわれています。
米粉の原料の米には、y-オリザノールという動物性脂肪の中毒性を軽減する成分が含まれています。
動物性脂肪は中毒性があるので、取り続けると太りやすい体質になりやすくなります。
小麦粉を米粉に置き換えることで太りにくい体質に近づくことも期待できそうです。
米粉と小麦粉どっちが体にいい?
米粉と小麦粉ではどっちが体にいいかというと、米粉の方がいい、というケースが多いです。
この理由は、小麦粉は腸内環境を悪くする働きがあることや依存性があることがあげられます。
ですが、米粉も体に悪いという人もいるのも事実。
米粉は小麦粉よりも糖質が高いので、食べ過ぎると糖質の過剰摂取になるかもしれません。
取り入れる際は、栄養が偏らないようにバランスよく食事をするようにしましょう。
小麦のグルテンは体に悪いかについては>>グルテンは体に悪い?の記事を参考にして下さい。
パンの小麦粉を米粉に置き換える場合の分量は?
パンを作る際、小麦粉の20~30%を米粉に置き換えるのを目安にしてみましょう。
小麦粉の分量をそのまま米粉に置き換えてもパンは作れません。
100%米粉でパンを焼いても膨らみませんし、米粉は小麦粉よりも水分を良く吸うので、まとめる際に水分を多めに入れないとまとめることができません。
米粉を使ったパンは、小麦粉のパンよりもふくらみが悪く重い仕上がりになります。
まとめ
米粉と小麦粉の違いは、一番は米粉はグルテンを含まないことにあります。
カロリーや糖質は米粉の方が高いので、ダイエット効果を期待して取り入れる際は注意が必要です。
米粉を小麦粉に置き換えると、食感や仕上がりがもっちりと歯ごたえのある食感になります。
グルテンフリーをするなら、米粉は取り入れやすい食品です。
メリット・デメリットから栄養バランスを考えて、上手に取り入れたいですね。